One Team!

武蔵小杉病院 DMAT(災害派遣医療チーム)

被災地に駆けつけて災害の最前線で医療支援を行う

医師・看護師をはじめ医療専門職のスタッフが相互連携しながら、患者さん中心の医療を実践し、専門治療ごとにチームで活動しています。今回のONE TEAM!は、武蔵小杉病院のDMATを紹介します。
  • 副院長

    井上潤一先生(いのうえ・じゅんいち)

    救命救急センター センター長・救命救急科 部長

  • 救命救急科 准教授

    田上 隆先生さん(たがみ・たかし)


  • 看護師

    山本沙織さん(やまもと・さおり)

  • 看護師(業務調整員)

    小峰達也さん(こみね・たつや)

  • 救急救命士(業務調整員)

    宮上和也さん(みやかみ・かずや)

能登半島地震にも派遣され支援活動を実施

  • ─DMATとはどのような組織なのでしょうか。

    井上:DMAT(Disaster Medical Assistance Team)は、災害急性期を中心に活動するトレーニングを受けたチームで、医師、看護師、業務調整員で構成されています。派遣の際は医師1:看護師2:業務調整員1の4人単位で活動します。

  • チーム

    令和6年能登半島地震救援の派遣DMAT(1次隊・2次隊)

─業務調整員とはどんなことをするのですか。

宮上:ロジスティクスといってチーム活動を支えるすべてを請け負います。具体的には、車両の運転にはじまり、衣・食・住の手配、通信と情報収集、活動環境の整備など多岐にわたります。 ロジ スティクスがうまくいくかどうかが活動の成否を決めるというくらい重要な役割です。当院のDMATでは、薬剤師や事務職、看護師、救急救命士が担当しています。

─能登半島地震の被災地にも派遣されていますが、普段の病院と災害現場ではどのような違いがあるのでしょうか。

田上:災害現場の活動はフェーズや与えられた役割によって大きく変わります。一次隊は転院搬送など日常の救急業務の延長でしたが、道路状況や余震など安全確保に一番気を使いました。二次隊は全国から来るDMATの活動場所やローテーションを決める本部業務を担当したので、普段とはまるで違いました。

山本:災地では医療従事者も被災者なのですが、自身が避難した避難所でも医療サポートを求められて、ほとんど休めていない状況でした。私はそういう人たちが少しでも落ち着けるよう意識して活動しました。

病院が一丸となってDMAT活動をサポート

─予測できない災害に向けてどんな訓練をしていますか。

田上:トラフ地震や富士山噴火などの大規模な災害を想定した訓練に参加しています。病院全体での災害訓練は、町内会の模擬患者さんや学生ボランティアさんら70人も加わった大がかりなものでした。また、突然起こる災害の現場でも多職種でコミュニケーションをとりながらその都度最適解を出せるよう、毎日のカンファレンスや回診でも全職種が意見を出し合うことを大切にしています。

  • チームのプロフィール

  • ─このチームの強みはどこにあると思いますか。

    井上:武蔵小杉病院は谷合院長が災害に強い病院をめざしてきたこともあり、看護部や事務の防災担当者も熱心で、病院一丸となって取り組めていることが強みです。困っている人がいれば、誰でも、どこでもすぐに助けに行くというのは本学の学是でもあり、昨年トルコ地震救援にも行かせていただきました。

    小峰:能登半島地震のDMAT活動では、病院に残ったDMAT隊員や救急救命士が完璧な後方支援をしてくれました。栄養科は派遣隊員用に非常食を、薬剤部は予防薬や検査キットを用意してくれました。ここまで病院全体で活動できたのは初めてのことです。今回の経験を活かし、地域を守る災害拠点病院として、仲間とともに積極的に活動していきます。

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