One Team!

多摩永山病院 脳卒中(ストローク)チーム

診療科の垣根を越えた3科体制で脳卒中を治療

医師・看護師をはじめ医療専門職のスタッフが相互連携しながら、患者さん中心の医療を実践し、専門治療ごとにチームで活動しています。今回のONE TEAM!は、多摩永山病院のストローク(脳卒中)チームを紹介します。
  • 脳神経外科 部長/教授

    玉置智規先生(たまき・とものり)

  • 脳神経内科 部長/准教授

    青木淳哉先生(あおき・じゅんや)

    日本神経内科学会専門医・指導医/日本脳卒中学会専門医・指導医/日本脳血管内治療学会専門医


  • 救命救急科 医局長/講師

    金子純也先生(かねこ・じゅんや)

    日本脳神経外科学会専門医・指導医/日本脳血管内治療学会専門医・指導医/日本脳卒中学会専門医

3科が協力し合うことで24時間対応を実現

─脳卒中チームについて教えてください。

  • 玉置:脳の血管が破れたり詰まったりすることで起きる脳卒中は、緊急性が高く、24時間体制での対応となるため、どうしても人手が必要になります。しかし、多摩永山病院はそれぞれの科が小さく、医師数も多くありません。そんな中で、脳神経外科、脳神経内科、救命救急科の3科が診療科の垣根を取り払って脳卒中対応を行っているのがこのチームです。

    金子:3科の医師たちで当番を割り振って初期対応に当たり、専門的な治療が必要になったら応援を呼びます。この体制になってから患者さんへの応需率や迅速性が上がりましたね。

  • チーム

玉置:脳卒中は、脳の血栓を溶かすtPAという薬を使った治療や血管内にカテーテルという細い管を通して行う治療が普及したことで多くの命を救えるようになりました。ただし、これらの治療は1分1秒でも早いほど救命率が高くなる治療です。だからこそ、医師はすぐに対応することが求められます。

─どのように役割分担をしているのでしょうか。

青木:血管内(カテーテル)治療については指導医資格を持つ金子先生がリーダーシップをとります。内科的治療は脳神経内科、開頭手術は脳神経外科と、専門を活かした治療を行います。

金子:脳卒中だと思われる症例の半分は実は脳卒中ではなく、脳炎やてんかん、低血糖発作だったりするのですが、青木先生がいるのでそのような疾患でも安心して任せられます。

病院の全ての職種が脳卒中治療に協力

─医師以外との多職種連携はどうなっていますか。

金子:専属スタッフはいませんが、カテーテル治療の資格を取得した看護師が中心的役割を果たしてくれていますし、カテーテル室の放射線技師も優先的に使えるよう調整してくれます。

玉置:脳卒中相談支援窓口の医療ソーシャルワーカーをはじめ、早期リハビリの理学療法士や言語聴覚士による退院後のフォローも治療にとって重要なことです。

青木:事務職の人たちもすぐに治療できるよう急いでIDを発行してくれます。みんなが脳卒中という病気を理解して、病院全体で脳卒中の患者さんを良くするための体制ができています。

─今後に向けて改善すべき課題などはありますか。

  • チームのプロフィール

  • 玉置:3科体制になる前から脳卒中に対応してきた私からすると、今の体制は夢のようです。ますます高齢化が進むこの地域のニーズに応えていけるように、より良い治療を提供していきます。

    青木:私にとっても現状は理想的ともいえる環境です。救急隊との連携を強めたり、状況に応じてCTやMRIを選択したりして、さらに進化できればと思います。

    金子:この病院は伝統的に医師を取り巻く環境がとても充実しています。この環境の中でより多くの患者さんを治療して、満足度を上げることがもっとも重要だと思っています。

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