カラダカラ

やる気と幸福度を UPさせる「チロシン」 筍(たけのこ)

カラダカラ Vol.21

健康への第一歩は、まず食事から。体調を整えるのに効果的な旬の食材と、それを使ったおススメのレシピを紹介します。

やる気と幸福度をUPさせる「チロシン」 ~ 筍(たけのこ) ~

  • ダカラPoint!

    生の筍についている白い粉の正体は、アミノ酸の一種であるチロシンです。チロシンは、やる気を出させたり幸福度を高めたりするドーパミンというホルモンの原料となる物質で、摂取すると、集中力を高めてストレスを抑制し、脳を活性化させる働きがあります。

  • 筍

物価高の昨今にしっくりくる「筍生活」

春の味覚である筍(たけのこ)には、「雨後の筍」をはじめさまざまなことわざがあります。なかでも、物価高の昨今、しっくりくるのが「筍生活」かもしれません。筍の皮を一枚ずつ剥くがごとく、家財を売って生活費にあてる暮らしを指す言葉で、日々節約を意識して暮らしていると、今後は筍生活を余儀なくされる日も近いのではないかとひやひやします。

筍は、一定の好条件下であれば、1日に120センチメートル程伸びるなど成長が早く、地下茎から出てきた若い筍を味わえる期間はわずかです。

国産であれば、柔らかくて香りが良く、水煮としてよく売られている孟宗竹(もうそうちく)が、3月初旬から5月に旬を迎えます。また、小ぶりで柔らかく、アクやえぐみの少ない淡竹(はちく)、えぐみが強くてしっかりとした食感の真竹(またけ)は、5月頃が旬です。

栄養面では、植物では珍しい高タンパク低カロリー食材で、生の筍であれば、大根の約2倍ものカリウムが含まれていて、むくみ防止や血圧を下げるのにも役立ちます。

筍のえぐみは、ほうれん草などにも含まれるシュウ酸です。シュウ酸は保存時間が長くなるほど増え、カルシウムや鉄分の吸収を妨げて尿路結石の原因にもなるので、入手したらできるだけ早く下茹でして、えぐみが増す前に食べましょう。

部位によって食感が変わる奥深い食材

今回のレシピの「筍ご飯」は、手軽な水煮を使いましたが、時間があれば、生の筍を下茹でするところから作ってもいいでしょう。生の筍は、穂先が緑ではなく茶色いものほど新鮮です。

下茹でをする際には、まず、皮付きのまま穂先を斜めにカットし、縦に切り込みを入れてから、ぬかと一緒に水から茹でます。茹で時間は40分から50分が目安です。

筍は部位によって向いている料理が異なり、柔らかな先端の姫皮はお吸い物や酢の物、穂先は煮物や和え物、歯ごたえのある中心部は、煮物や炒め物、天ぷらなどでおいしく食べられます。

筍ご飯であれば、根元を薄切りか賽の目切りにして炊き込むと、筍特有の食感を楽しめます。

カラダカラRecipe!

筍(たけのこ)ご飯
材料(2人分)

  • 米 2合
  • 筍(水煮) 200g
  • 油揚げ 1枚
  • 木の芽 適宜
  • 【A】
  •  みりん 大さじ2
  •  料理酒 大さじ2
  •  しょうゆ 大さじ2
  •  砂糖 大さじ1/2
  •  和風だし(顆粒) 小さじ1
  • 水 適量

作り方

  1. 米を洗って30分程水に浸す。油揚げは熱湯をかけて油抜きをする
  2. 筍の水煮は縦半分に切ったものをさらに4等分にして、繊維を断つように5㎜幅に切る
  3. 油揚げは、横半分に切ってから1㎝幅に切る
  4. Aの調味料・米・分量の水を入れたら全体をかき混ぜ、切った筍と油揚げを全体にちらしたら、かき混ぜずに炊飯する
  5. 炊き上がったら、全体をかき混ぜて茶碗に盛り、木の芽をちらして完成
輿水 学さん

輿水 学さん(こしみず・まなぶ)

日本医科大学付属病院
栄養科 係長・管理栄養士・調理師

栄養指導や患者さんの栄養管理を行う。おいしく、しっかりと栄養がとれるメニュー作りを心掛けている。

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