カラダカラ
ダイエット中の便秘予防とビタミンD摂取に
しいたけ
カラダカラ Vol.19
ダイエット中の便秘予防とビタミンD摂取に ~ しいたけ ~
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ダカラPoint!
しいたけは、低カロリーで食物繊維が豊富なだけでなく、ビタミンDを補うのにも適しています。これは、しいたけに含まれるエルゴステロールという成分が、紫外線に当たるとビタミンDに変化するため。体内のカルシウムの利用効率を高めて、骨や歯の発育を促したり、血中カルシウム濃度を一定に保ったり、神経伝達や筋肉の収縮に役立ちます。
「栽培方法」「干し」で栄養に大きな差
スーパーなどの店頭で一年中見られる「しいたけ」ですが、自然栽培のしいたけの旬は春と秋です。
しいたけには、生しいたけと干ししいたけがあり、生しいたけの栽培には、「原木栽培」と「菌床栽培」の2つがあります。現在、日本で流通しているしいたけの85%は菌床栽培ですが、栄養価で比べると、原木栽培のほうが菌床栽培のしいたけより、食物繊維の含有量が1割以上多いことがわかっています。
また、干ししいたけには3つ呼称があり、肉厚で傘が開いていない干ししいたけを「どんこ」、70%以上傘の開いた薄いものを「こうしん」、どんことこうしんの中間の傘の開き具合のものを「こうこ」と呼んでいます。
どんこは高級品で風味が高く、贈答用としても用いられるのに対し、こうしんは、水の戻し時間が短く、家庭での調理に向いています。
干ししいたけは生しいたけに比べて、ビタミンDや食物繊維が多く、生しいたけにはない、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを軽減する旨味成分グアニル酸なども含まれています。グアニル酸には、ぬるま湯で戻すと溶け出てしまう性質がありますが、砂糖をひとつまみ入れると、浸透圧が上がり溶け出しにくくなります。
また、生しいたけであっても、30分ほど天日干しをすることで、食感や味はそのまま、ビタミンDなどの栄養素を増やすことができます。
しいたけの下ごしらえのタブーと保存方法
今回のメニューは、刻んだしいたけの軸を有効活用した「しいたけの肉詰め」です。軸にはうまみ成分であるグルタミン酸が含まれていて、味わい深い仕上がりになります。
しいたけを含めたきのこの下ごしらえで覚えておきたいのは、「水洗いしない」ことです。これは、水溶性の栄養素が流れ出たり風味が落ちたりしてしまうためで、どうしてもしいたけの汚れが気になるなら、固く絞った布巾やキッチンペーパーで軽く表面を拭くだけにしましょう。
また、ちょっと手間ですが、冷蔵保存する際には、ひだを上向きにして一つずつキッチンペーパーで包むようにします。すぐに食べない場合は、冷凍保存すると、繊維が壊れて旨味成分が出てきやすくなります。
カラダカラRecipe!
しいたけの肉詰め
材料(2人分)
- しいたけ 6個
- 合い挽き肉(豚のみでも可) 100~150g
- 卵 1個
- しょうが(チューブ) 小さじ1
- パセリ(付け合わせ用) 適量
- 塩・こしょう 少々
- サラダ油・片栗粉 適量
- 【A】
- 砂糖 大さじ2
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- 醤油 大さじ2
- 豆板醤 小さじ1/4程度
作り方
- しいたけは、かさと軸に切り分け、軸のやわらかい部分をみじん切りにする
- ボウルに合い挽き肉と卵、みじん切りにした1を入れ、しょうがと塩・こしょうで味を調えたら、粘りが出るまでよく混ぜる
- 茶漉しなどで片栗粉をまぶしたしいたけに、2を6等分にして詰める
- フライパンにサラダ油をしき強火で加熱したら、タネを下にして3のしいたけを並べ、蓋をして弱火で焼く
- 全体に火が通ったらAの調味料を回し入れ、フライパンをゆすりながら中火で煮からめる。全体に照りがでたら、パセリを添えて完成
輿水 学さん(こしみず・まなぶ)
日本医科大学付属病院
栄養科 係長・管理栄養士・調理師
栄養指導や患者さんの栄養管理を行う。おいしく、しっかりと栄養がとれるメニュー作りを心掛けている。