カラダカラ
血液サラサラ脳や神経を正常化
さわら
カラダカラ Vol.17
血液サラサラ 脳や神経を正常化 ~ さわら ~
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ダカラPoint!
血液をサラサラにして生活習慣病を予防・改善するEPAと、体に不可欠な「必須脂肪酸」の一つであるDHAが含まれ、脳や神経機能の正常化に働きかけます。また、さわらは生魚の中でも特にカリウムが豊富なので、余分なナトリウムを排出し、高血圧の予防やむくみ解消に役立ちます。
俳句にも登場する
春を告げる祝い魚
さわらは、産卵時期である5~6月頃、瀬戸内海へ回遊する大型魚です。漢字では春の魚と書き、「一匹の 鰆を以って もてなさん」という高浜虚子の俳句にも登場するなど、春を告げる祝い魚として古くから親しまれてきました。
サバの仲間である青背魚ですが、くせがなく上品な味わい。西京漬けや塩焼き、幽庵焼き、天ぷら、かぶら蒸しのほか、真子(卵巣)や白子(精巣)の煮付け、からすみも美味で、ハレの日のメニューや懐石料理でもよく食べられます。
また、さわらは成長とともに名前が変わる出世魚。関東では「さごし/さこち(50センチ以内)」から「さわら(50センチ以上)」となり、関西では「さごち/やなぎ/なぎ(50センチ前後)」から「さわら(70センチ以上)」となります。このように地域によって呼び名が異なるだけでなく、旬の時期も違い、春に旬を迎えるのは関西から瀬戸内です。
かつては東日本ではほとんど見かけない印象でしたが、近年は、東北などでも水揚げされるようになりました。産卵期前の12月~2月には、脂ののった「寒さわら」も好んで食べられるようになりました。
おいしいさわらは、「斑紋」と呼ばれる模様がはっきりしています。脂ののった寒さわらは、それに加えて、お腹に丸みがあり全体的にふっくらしています。入手しやすい切身であれば、皮にハリがあって、身が割れておらず、透き通ったものを選ぶと間違いないでしょう。
定番の和食だけでなく洋風仕立てもおすすめ
瀬戸内地方では、さわらの刺身がよく食べられます。上品な甘みととろけるような食感から、「さわらの刺身は皿までなめる」と、その味を絶賛する人も多いそうで、機会があればぜひ食べてみたいですね。
関東では、そこまで新鮮なさわらはなかなか入手できませんが、淡白なさわらをバターで焼き、さっぱりとしたレモン風味のバターソースをかけた、今回の洋風仕立てもなかなかのもの。
水分量の多い魚なので、購入後はキッチンペーパーでしっかり水気を拭き、ラップで包み保存袋に入れてチルド室で保存しましょう。
カラダカラRecipe!
さわらソテーwith レモンバターソース
材料(2人分)
- さわら 2切れ
- 【下味】
- 塩 ひとつまみ
- 黒こしょう 少々
- 薄力粉 大さじ1
- 有塩バター(焼き用) 15g
- 【ソース】
- 有塩バター 20g
- にんにく(すりおろし) 小さじ1/2
- レモン汁 大さじ1
- 粒マスタード 小さじ1
- 塩 ひとつまみ
作り方
- さわらに塩、黒こしょうで下味をつけて、全体に薄力粉をまぶす
- 弱火で熱したフライパンに有塩バターを溶かし、中火にして1のさわらの両面に焼き色がつくまで5~7分ほど焼き皿にとる
- 同じフライパンの汚れをキッチンペーパーなどで拭き取り、ソースの材料をすべて入れて、バターが溶けるまで弱火にかける
- 2の上から3のソースをかける。付け合わせに、ふかし芋などを添える
輿水 学さん(こしみず・まなぶ)
日本医科大学付属病院
栄養科 係長・管理栄養士・調理師
栄養指導や患者さんの栄養管理を行う。おいしく、しっかりと栄養がとれるメニュー作りを心掛けている。