
カラダカラ
体の免疫力を高める
れんこん
カラダカラ Vol.16

体の免疫力を高める ~ れんこん ~
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ダカラPoint!
排便を促す不溶性食物繊維と、体内の善玉菌を増やして腸内環境を整える水溶性食物繊維の両方が含まれ、体の免疫力を高めます。また、れんこんには、炎症抑制効果のあるポリフェノールの一種タンニンが含まれ、喉の痛みや鼻水を抑えるなど、春先のアレルギー反応の緩和に働きかけます。
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れんこんは根菜ではなく「茎」
「見通しがきく」縁起物として、おせち料理などにもよく使われるれんこん。旬の時期は10月から3月にかけてで、9月下旬までに成長を終え、そのまま田んぼで寝かせることで、粘りと甘みが出て旨味が増します。
れんこん(蓮根)には、「根」という漢字がつくので根菜だと思われがちですが、実際の可食部は「地下茎」といわれる茎の部分です。真ん中に1個、周囲に奇数の穴が開いているものが多いとされ、この穴が、泥の中で成長するれんこんに必要な空気を送る「通り道」となっています。
現在、店頭に並んでいるれんこんの多くは、明治時代に中国から輸入した品種を改良したものですが、鑑賞用のはす(蓮)の歴史は古く、古事記や万葉集にも記載があるほど。
「はす(蓮)」というと、水田で花を咲かせる姿が「すいれん(睡蓮)」に似ていることから混同されがちですが、れんこんが採れるのは「はす」のみです。葉の形や茎に違いがあり、はすが、水面から葉を立ち上がらせる挺水植物であるのに対し、すいれんは、水面に葉を浮かべる浮葉性植物です。
良品のれんこんは、ふっくらと丸みがあって、皮に艶があり、穴は小さくサイズがそろっています。保存方法は、カットして冷蔵庫の野菜室でも良いですが、堅めに茹でて、水分をふきとりラップにくるんで冷凍すると長持ちします。
シャキシャキとした食感のご飯がすすむおかず
今回のレシピは、れんこんのシャキシャキとした歯ごたえを楽しめる「れんこんのはさみ焼き」です。豚ひき肉ではなく、鶏ひき肉やえびや魚のすり身などでもおいしく召し上がれます。
れんこんは、切る向きにより、また厚さ、調理時間、あくの抜き方により食感が変わります。厚めに切って水にさらしてから煮るとホクホク感を、薄くスライスして酢水につけてサラダなどではシャキシャキ感を楽しめます。
すりおろしてれんこん餅にしたり、天ぷら、きんぴら、れんこんチップスなど、いろいろな食感、調理法が楽しめるのもれんこんの特徴です。ぜひ、いろいろな料理に挑戦してみてください。
カラダカラRecipe!
れんこんのはさみ焼き
材料(2人分)
- れんこん…150g
- 玉ねぎ…60g
- 青ねぎ…10g
- 焼肉のたれ…大さじ2
- 片栗粉…適量
- (A)
- 豚ひき肉…150g
- しょうが(汁)…少々
- しょうゆ…小さじ1
- 塩…小さじ1/4
- こしょう…適量
作り方
- れんこんは5mm幅の輪切りにして、水にさらす
- 玉ねぎをみじん切りにし、(A)をあわせて粘りが出るまでよく混ぜる
- 2を水切りしたら、キッチンペーパーでれんこんの水気を拭いて片栗粉をまぶす
- 3を丸めて、れんこんの間に挟む
油をひいたフライパンに4を並べてふたをし、肉に火が通るまで蒸し焼きにしたら、焼肉のたれを絡める - 器に盛り付け、小口切りにした青ねぎを添えて完成

酒井 良子さん(さかい・よしこ)
日本医科大学付属病院 栄養科 栄養科長・管理栄養士
糖尿病療養指導士、NRサプリメントアドバイザー、栄養相談専門士、人間ドック健康情報管理指導士を取得。生活習慣病の栄養管理に力を入れるとともに、栄養科の責任者としておいしい病院食を目指しメニュー改善に取り組む。