カラダカラ
低脂肪・高たんぱくで消化に良い
鯛(たい)
カラダカラ Vol.12
低脂肪・高たんぱくで消化に良い ~ 鯛(たい) ~
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ダカラPoint!
脂肪が少なく、良質なたんぱく質がたっぷり含まれている鯛は肉より身がやわらかで消化しやすく、体に優しいことから、離乳食や介護食としても、よく使われています。消化酵素の働きを助けるビタミンB1、B2も含まれているので、胃腸を休めたい時にもお勧めです。
古くから縁起物として重宝されてきた鯛
鯛は、語呂合わせで「めでたい」などといわれ、古くから祝いの席やお食い初め、正月などによく食されてきました。
鯛と名の付く魚は200種類以上いますが、実は、そのほとんどが「鯛」という呼称にあやかっただけの、分類学上タイ科と違う魚。タイ科に属するのはマダイとほんの一部だけなのです。
さて、鯛は思いのほか寿命が長く20年以上生きるものもあります。そのため漁獲時期によって呼び名が変わり、春は、産卵前の「桜鯛」や産卵後に味が落ちる「麦わら鯛」、その後、餌を食べて再び脂が乗ってくる秋になると、「紅葉(もみじ)鯛」と呼びます。中でも、色鮮やかな赤色をした桜鯛は、身が締まって栄養価が高く、神事などにも用いられてきました。
鯛には、良質なたんぱく質がたっぷり含まれていて、免疫力を高め、細菌やウイルスの排除に役立ちます。また、青魚に多いDHAやEPAも含まれ、脳の発達を促し、脳血栓や動脈硬化の予防に役立つ他、カルテノイドの一種であるアスタキサンチンが、強い抗酸化作用を発揮し、生活習慣病を予防します。
鯛の旬は冬から春ごろまでですが、最近は、店頭で養殖の鯛を年中見かけるようになりました。養殖の鯛は、天然に比べて尾びれに張りがなく、全体的に黒っぽい色をしていて、脂の乗りが良いのが特徴です。
一晩置くと、うま味が引き出されおいしくなる
「腐っても鯛」というのは、落ちぶれてもそれなりの値打ちがあるという意味のことわざです。実際、鯛はしめてからすぐに食べるよりも、一晩寝かせた方が、うま味が引き出されておいしくなります。
今回紹介する「鯛のごま茶漬け」は、前の晩にお刺し身や鯛しゃぶなど、生の鯛を食べた後に、残りをアレンジして食べたい一品です。市販の白だしや顆粒だしを使ってもよいですが、できれば鯛の中骨などでだしを取ると、いっそうおいしくなります。だし次第で塩辛さが変わってきますので、塩やしょうゆの量を加減しながら、塩分のとり過ぎにも注意してください。
カラダカラRecipe!
鯛のごま茶漬け
材料(1人分)
- ご飯…茶碗1杯分
- 鯛の生食用切り身…70g(刺し身では約10切れ)
- しょうゆ…大さじ1
- みりん…小さじ1
- いりごま(白)…大さじ1
- 大葉(または三つ葉)…1枚
- わさび…お好みで
- かけ汁
- だし…1/2カップ(100ml)
- 塩…少々
- しょうゆ…少々
作り方
- 鯛を薄く切る(刺し身の場合はそのまま)
- 耐熱容器にみりんを入れ、電子レンジで600W約40秒加熱する
- いりごまをフライパンで香りが立つまでいり直し、それをすり鉢で軽くする
- 3のいりごまに、しょうゆと2のみりんを入れて混ぜ、1の鯛とあえる。
- 器に入れたご飯に4の鯛をのせ、千切りにした大葉または三つ葉にわさびを添える
- だしに塩、しょうゆを加えてひと煮立ちさせたら、ご飯にかける
酒井 良子さん(さかい・よしこ)
日本医科大学付属病院 栄養科 副栄養科長・管理栄養士
糖尿病療養指導士、NRサプリメントアドバイザー、栄養相談専門士、人間ドック健康情報管理指導士を取得。生活習慣病の栄養管理に力を入れるとともに、栄養科の責任者としておいしい病院食を目指しメニュー改善に取り組む。