カラダカラ
日本人に不足しがちなカルシウムを補う
イワシ
カラダカラ Vol.10
日本人に不足しがちなカルシウムを補う~ イワシ ~
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ダカラPoint!
可食部100g中に70mgものカルシウムが含まれていて、ビタミンDも豊富。カルシウムは骨や歯のもとになるだけでなく、ストレスを鎮め気持ちを安定させる働きがあります。また、不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが、血液中の中性脂肪を減らしてくれます。
奈良時代からイワシと呼ばれ世界中で常食される
6〜7月に水揚げされる真イワシは「入梅(にゅうばい)イワシ」と呼ばれ、1年で最も脂が乗っています。
「イワシ」は、奈良時代からすでにその名で呼ばれ、源氏物語にも登場しています。当時から、安価な大衆魚として庶民の食卓に欠かせなかった一方、貴族の間では、「賤(いや)しい魚」とされ、それが転じて「イワシ」と呼ばれるようになったといわれています。それ以外にも、捕獲後すぐに傷んでしまう「弱い魚」であることから、「鰯(いわし)」と呼ばれるようになったという説も有力です。
焼くともくもく煙が上がり強い匂いを放つことから、現在でも、節分が近くなるとイワシの頭部を柊(ひいらぎ)と共に挿し、「魔除けの魚」として門口に飾る風習があります。
日本以外にも世界中で食べられ、真イワシのオイル漬けは英語で「サーディン」、カタクチイワシの塩漬けは「アンチョビ」と呼ばれ、缶詰や瓶詰で出回っています。また、最近では流通の進歩によって、日本では、刺身や握りのネタなど、生で食べられる機会も増えてきました。
年間漁獲量の多い銚子港などでは、なめろう、つみれ汁、さんが焼き、かば焼きなどの、ご当地メニューとしても提供されています。
さっぱり梅しょうゆを合わせてカルシウムの吸収率をUP
今回のレシピは、夏にさっぱり梅風味の「イワシの竜田揚げ」。下味に梅しょうゆを使うことで、「泳ぐカルシウム」ともいわれるイワシのカルシウムを、梅のクエン酸によって効率よく吸収することができます。
鮮度が命なので、スーパーなどで購入するときには、体がピンと張り、黒く澄んだ目、鮮やかな赤いエラをしたものを選ぶようにします。その場でさばいてもらってもいいですが、身が柔らかいので、中骨は手で抜くこともできます。
多めに揚げて南蛮漬けにしたり、翌朝、パンに挟んで、イワシの竜田揚げバーガーやイワシサンドにしたりしてもおいしく召し上がれます。ぜひ、お試しください。
カラダカラRecipe!
イワシの竜田揚げ(梅肉風味)
材料 (2人分)
- 真イワシ…2尾
- 調味液
- 梅肉(梅干しの種を除いて潰したものでもOK)…少々
- しょうゆ…大さじ1
- 料理酒…大さじ1
- 片栗粉…30g
- 揚げ油…適量
- 大葉…2枚
- 大根おろし…50g
作り方
- イワシは三枚におろした状態のものを買うか、頭を落として内臓と骨を取り、三枚におろす
- ジップ付き保存袋に1と調味液を入れて軽くもみ込み、20分程浸す
- 調味液を拭き取り、片栗粉をまぶす
- 熱したフライパンに揚げ油を注ぎ、180℃になったら3のイワシを揚げる
- 大葉を敷いた器に盛り付け、大根おろしを添える
酒井 良子さん(さかい・よしこ)
日本医科大学付属病院 栄養科 副栄養科長・管理栄養士
糖尿病療養指導士、NRサプリメントアドバイザー、栄養相談専門士、人間ドック健康情報管理指導士を取得。生活習慣病の栄養管理に力を入れるとともに、栄養科の責任者としておいしい病院食を目指しメニュー改善に取り組む。