カラダカラ

クエン酸の効果で、疲れにくい体に!

カラダカラ Vol.9

健康への第一歩は、まず食事から。体調を整えるのに効果的な旬の食材と、それを使ったおススメのレシピを紹介します。

クエン酸の効果で、疲れにくい体に!~ 梅 ~

  • ダカラPoint!

    クエン酸やリンゴ酸などの有機酸がたっぷり含まれている梅は、糖質の代謝を促し、栄養素をスムーズにエネルギーに変換してくれます。疲労回復、腰痛や肩こりなどの緩和、疲れにくい体づくりに役立ちます。

  • 梅

古くは薬用として
「三毒を断つ」という梅パワー

5月中旬から6月にかけて、スーパーなどの店頭には、果実酒瓶や氷砂糖などと共に、「青梅(生梅)」が並びます。

中国最古の薬物学書にも記載されている青梅は、弥生時代に中国から伝わり、日本でも、燻(いぶ)して乾燥させた「烏梅(うばい)」が、下痢止め、吐き気止め、回虫による腹痛などの漢方薬として使われてきました。

食用としては、鎌倉時代に、塩蔵された梅干しとして食べられるようになったのが始まりです。梅干しは古くから、「三毒を断つ」として、体内の過剰なナトリウムを尿で排出して「水毒」を、血液を中和して弱アルカリ性に戻して「血毒」を、疲労物質である乳酸を分解して「食毒」を防ぐとされてきました。

ただ、青梅の種には有毒な青酸が含まれていて、生で食べることはできません。そこで、さまざまな梅の種類に合わせて、加熱したり、アルコールや塩、砂糖漬けにしたりして食べられるようになったのです。

粒が大きく薄皮で柔らかい「南高梅」は最もよく見かける品種で、完熟したものは梅干しや梅酒、梅シロップに適しています。梅酒や梅シロップは青梅でもできます。小粒の「竜峡小梅」「甲州小梅」などは、熟して黄色くなる前にカリカリ梅などにするのがお勧めです。

香りが立ち皮に張りがあって傷や斑点がないものが、おいしい梅です。収穫後も追熟するので、すぐに加工できない場合は、新聞紙などに包んで冷暗所で保存しましょう。

 

さまざまなアレンジが可能な「梅シロップ」

今回、紹介するのは「梅シロップ」です。青梅や黄色く熟した梅を三温糖や氷砂糖などに漬けて、1週間から10日ほど置くと出来上がりです。水や炭酸で4〜5倍に希釈してジュースにしたり、そのまま紅茶やヨーグルトに入れたりしてもおいしく召し上がれます。
糖分が高いので、摂り過ぎには注意が必要ですが、毎日少しずつ飲むことで、ビタミンやミネラルを補い、カルシウムの吸収率もアップします。ぜひ、作ってみてくださいね。

カラダカラRecipe!

材料

  • 青梅または完熟梅 … 1kg
  • 三温糖または氷砂糖 … 1kg

作り方

  1. 瓶を熱湯消毒する。熱湯を注いで瓶の内側全体にいきわたるようにしてから流して、清潔な布巾で水気を拭き、乾燥させる
  2. 梅を流水で丁寧に洗い、たっぷりの水に浸してアクを抜く
  3. 梅の水分をやさしく拭き取り、竹串で梅のヘタを取り除いて保存袋に入れる。一晩、冷凍庫で寝かせる
  4. 瓶に、梅と三温糖を交互に重ねていく。このとき、梅の表面が出ないように最後にしっかり三温糖で覆う
  5. 梅の入った瓶を冷暗所で保存する。1日1回、瓶を揺すってまんべんなく三温糖に浸かるようにすると、1週間〜10日で完成。梅の実を布巾などで濾す
  6. 5の梅シロップを15分程弱火にかけ、アクをすくう
  7. 粗熱が取れたら冷蔵庫で保存する(保存期間は、冷蔵保存で1年程度)

輿水 千波さん(こしみず・ちなみ)

日本医科大学武蔵小杉病院 栄養科 副科長・管理栄養士

糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、がん病態栄養専門管理栄養士として、栄養指導をはじめ患者さんの栄養管理業務を行う。

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