カラダカラ
イソチオシアネートで、血液サラサラ&デトックス!
大根
カラダカラ Vol.8
イソチオシアネートで、血液サラサラ&デトックス! ~ 大根 ~
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ダカラPoint!
大根のピリッとした辛味は、イソチオシアネートという成分によるもの。すりおろしたり、カットしたりすることで生成されます。イソチオシアネートは抗菌作用や抗酸化作用がありますが、揮発性が高いため、皮ごとおろし、汁ごと、おろしたてを食べることがポイントです。
でんぷん、脂質を消化してくれる酵素がたっぷり
年末年始に食べ過ぎてしまい、「なんとなく胃がもたれている」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、11~2月が旬の「大根」です。
よく、芝居が下手な役者を「大根役者」などと揶揄(やゆ)しますが、これは、大根であればいくら食べてもおなかを壊すことがないため。つまり、「役者としてあたらない」(諸説あります)という意味からきています。
それもそのはず。大根には、でんぷんの消化を助けてくれるジアスターゼや、脂質を分解するリパーゼなどの酵素が含まれていて、胸やけ、胃もたれ、胃酸過多、二日酔いなどを改善してくれるのです。また、大根に含まれるオキシダーゼという酵素は、発がん性のある魚の焦げを解毒してくれるので、焼き魚の付け合わせとしてもぴったりです。
大根は、食べる部位によって栄養価や適した料理が変わります。例えば、硬くて食物繊維の多い上部は、細かく刻んで酢の物やサラダにするとシャキシャキとした食感になり、柔らかく甘みのある真ん中は、おでんやふろふき大根に適しています。また、辛味の強い先端は、大根おろしや漬物にするのが最適です。葉の部分はビタミンAやカロテン、鉄分などが豊富で、茹でたり、炒めたりしてからご飯に混ぜるとおいしく召し上がれます。
おいしい大根は、ずっしりと重く、皮が白くてハリとツヤがあり、ヒゲ穴が少なくまっすぐな形をしています。葉を切り落として新聞紙にくるみ、野菜庫などで保存すると長持ちしますよ。
コラーゲンたっぷり 煮汁も残さず食べて
今回ご紹介する「ブリ大根」は、冬に旬を迎える脂ののったブリと大根を使った和食の定番メニューです。もともとは富山の郷土料理で、ブリを残さず食べきるためにあらが使われていますが、最近では食べやすいように切り身も使われます。ブリ大根の煮汁は冷めるとプルプルのゼリー状になります。コラーゲンたっぷりなので、大根にからめて食べましょう。
カラダカラRecipe!
材料(2人前)
- 大根 … 1/4本(15㎝くらい)
- ブリ … 2切れ
- だし汁 … 1カップ
- 砂糖 … 大さじ1
- 酒 … 大さじ2
- みりん … 大さじ2
- しょうゆ … 大さじ2
- すりおろし生姜 … 小さじ1
- 青ねぎ … 少量(飾り用)
(市販の顆粒出汁を使う場合は、醤油を控えめに)
作り方
- 大根は皮をむき2㎝の輪切りにしてから、面取りする
- 鍋に米のとぎ汁と大根がかぶる程度の水を入れ、1の大根を入れて火にかけ、竹ぐしが通るくらいまでゆでる(米のとぎ汁の代わりに一つまみの米を加えてもOK)
- ブリはザルの上で塩を振り10分ほど置いたら、表面にさっと熱湯を回しかけて水で洗う。 キッチンペーパーで水分を拭き取る
- 鍋に、生姜、だし汁、砂糖、酒を全量、みりんとしょうゆを2/3量入れて、中火で煮立たせる
- 4の鍋に大根を入れて弱火で10分ほど煮てから、3のブリを加える。ふたをして煮汁が1/4くらいになるまで弱火で煮込む
- 最後に残ったみりんとしょうゆを加え、ひと煮立ちしたら出来上がり。器に盛り付け、青ねぎを散らす
酒井 良子さん(さかい・よしこ)
日本医科大学付属病院 栄養科 副栄養科長・管理栄養士
糖尿病療養指導士、NRサプリメントアドバイザー、栄養相談専門士、人間ドック健康情報管理指導士を取得。生活習慣病の栄養管理に力を入れるとともに、栄養科の責任者としておいしい病院食を目指しメニュー改善に取り組む。