カラダカラ
ビタミンCとリコピンの抗酸化作用で免疫力アップ !
トマト
カラダカラ Vol.6
ビタミンCとリコピンの抗酸化作用で免疫力アップ! ~ トマト ~
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ダカラPoint!
新鮮でおいしいトマトは、ヘタが濃い緑色をしていて、赤い実の部分も色ツヤがよく、ハリがあってずっしり重みがあります。また、お尻のスターマークが大きな放射状の線を描いていると甘みが強く、小さいと酸味が強いといわれています。
活性酸素を除去して免疫力を高める「リコピン」
夏野菜の代表として知られるトマトには、「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるのをご存じですか? トマトには健康を維持・増進する栄養素がたくさん含まれていて、「食べると病気知らずで、医者がもうからなくなる」とのことから、ヨーロッパでは古くから言い伝えられてきました。
実際、トマトには、夏バテ防止や疲労回復に効果的なビタミンCや、カリウム、鉄分、リン、カルシウムなどのミネラルがバランスよく含まれています。
もともとトマトは南米アンデス高原が原産地で、その後、ヨーロッパへ伝わったものの、その見た目の赤色から、「毒がある」と誤解され、観賞用としてのみ栽培されてきた歴史があります。しかし、トマトの赤色は、カロチンの一種であるリコピンの色素によるもの。非常に高い抗酸化力があって、紫外線や食生活の乱れ、ストレス、喫煙、飲酒などで発生した活性酸素を除去し、免疫力を高めて、老化やがん、感染症の予防に役立つことが分かっています。
一般的に、野菜は冷蔵庫で保存するものと思われがちですが、夏野菜であるトマトは、一つずつ新聞紙に包み、ヘタを下にして15〜25℃の日陰で保存すると、しっかりと完熟し、より多くのリコピンを摂取することができます。
トマト1個を丸ごと調理!皮ごと食べるとよりヘルシー
今回ご紹介する「トマトの肉詰めチーズ焼き」は、トマトの中身をくり抜き、鶏ムネひき肉と一緒に炒めて、器に見立てたトマトに詰めてチーズをのせて焼きます。トマトを丸ごと食べるので、皮の部分に含まれている、免疫を正常化する酵素、ペルオキシダーゼまでしっかり取ることができます。
ひき肉は牛でも豚でもよいですし、炒める手間を省きたいときには、加熱済みの市販の鶏団子を詰めてもおいしくいただけます。
リコピンは、油と一緒に取ると吸収力が上がるので、最後にオリーブ油をさっとかけて食べるのもおすすめです。
カラダカラRecipe!
材料(1人前)
- トマト(大)……1個(200g)
- 鶏ムネひき肉……60g
- 玉ねぎ……1/6個
- とろけるスライスチーズ……1枚
- オリーブ油……適量
- 塩・こしょう……少々
- ハーブ(バジルやパセリなど)……数枚
作り方
- トマトは、ヘタの部分がふたになるように上から1/3程度でカットし、中身をくり抜く
- 鍋にオリーブ油をひき、鶏ムネひき肉と粗みじんにした玉ねぎを炒める
- 火が通ったら、くり抜いたトマトの中身を加えてさらに炒め、塩・こしょうで味付けする
- くり抜いたトマトに炒めた具材を詰め、スライスチーズを半分、または1/4に折って上にのせる
- オーブントースターで5分ほど加熱すれば完成。最後にハーブを飾って彩りを添える
酒井 良子さん(さかい・よしこ)
日本医科大学付属病院 栄養科 副栄養科長・管理栄養士
糖尿病療養指導士、NRサプリメントアドバイザー、栄養相談専門士、人間ドック健康情報管理指導士を取得。生活習慣病の栄養管理に力を入れるとともに、栄養科の責任者としておいしい病院食を目指しメニュー改善に取り組む。