
カラダカラ
たんぱく質・鉄分・ ビタミンが豊富で 疲労回復に効く!
鰹(かつお)
カラダカラ Vol.5

たんぱく質・鉄分・ ビタミンが豊富で 疲労回復に効く! ~ 鰹(かつお) ~
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ダカラPoint!
鰹は、しまの模様がしっかり入っていて、えらが鮮やかな赤い色をしているものが新鮮です。切り身で購入する場合は、血合いの赤みが鮮やかなものを選びましょう。
血合いの部分に鉄分が多く含まれていて、貧血予防や疲労回復に効果があります。
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さっぱりとした食感を楽しむ鰹のカルパッチョ
春、始まりの季節。4月から新生活をスタートさせた人たちも多いのではないでしょうか。そうした変わり目の時期だからこそ、おすすめしたいのが「鰹」です。
日本近海を北上していく4〜5月にかけての「初鰹」と、8〜9月に南下してくる「戻り鰹」と、鰹の旬は1年に2回あります。日本人にとってはなじみが深く、『古事記』や『万葉集』にも登場するほど、昔から親しまれてきた魚です。
かたくなるまで干して食べていたことから「堅魚(かたうお)」とも呼ばれ、それが略され「かつお」になったとも。江戸時代には「勝男武士」と漢字を当てて、縁起物とされていました。
春が旬の初鰹は脂質が少なく、身が締まっているのが特徴です。さっぱりとした食感なので、たたきやオリーブオイルを使ったカルパッチョなどに最適。たんぱく質や鉄分などの栄養素が豊富で、特にたんぱく質は鰯いわしや鯵あじの1・5倍も含まれています。ビタミンB群の一種、ナイアシンも多く、成人が1日に必要な摂取量を鰹100gで取ることができます。
ナイアシンは栄養素をエネルギーに変える働きがあります。
不足しがちな鉄分を補う疲労回復や貧血予防に効果的
鰹は鉄分が豊富で、疲労回復や貧血予防に効果的です。鉄分の吸収をさらに良くするためには、玉ねぎなどの野菜と一緒に食べるのがおすすめ。
鉄分は鰹の血合いの部分に多く含まれていますが、血合いの生臭さが気になるときには、みそや梅干し、かんきつ系の食材をソースとして使うと臭みが抑えられます。生のままの鰹を包丁で細かくたたき、みそやゴマ、大葉を混ぜて「なめろう」にすると、また違った味わい。
今回ご紹介するカルパッチョはしょうゆベースのドレッシングですが、少し味に変化を持たせたいときには、塩・こしょう、レモンを振りかけただけのシンプルなものや、梅を加えて梅ダレにしてみると風味豊かになるでしょう。にんにくが苦手な方は、しょうがやすりゴマにかえて作ってみてください。レタスやトマトを盛り付けて、サラダ風に仕上げてもおいしいですよ。
カラダカラRecipe!
*写真は1人前です
材料(2人前)
- 鰹(刺身用)……1柵
- 新玉ねぎ……1個
- 水菜……1束
- にんじん……5cm程度
- 大根……5cm程度
- わけぎ……適量
- にんにく……1片
- オリーブオイル……大さじ1
- しょうゆ……大さじ1
- 酢……小さじ2
- 塩、こしょう……適量
作り方
- 刺身用の鰹を食べやすい大きさにカットし、塩、こしょうを振りペーパータオルで水気をとる
- 新玉ねぎはスライスして水にさらしておく。にんにくはスライス、にんじん、大根は千切りに。水菜、わけぎは3㎝幅にカットする
- フライパンにオリーブオイルをひき、スライスしたにんにくを色がつくまで弱火で加熱する
- ボウルに調味料を入れ、にんにくを炒めたオリーブオイルを加えて混ぜ合わせる
- 新玉ねぎ、水菜、にんじんなどの野菜と鰹を皿に盛り付ける。にんにくを乗せて調味料をかけたら出来上がり

輿水 千波さん(こしみず・ちなみ)
日本医科大学付属病院 栄養科 係長・管理栄養士
糖尿病療養指導士、病態栄養認定管理栄養士、がん病態栄養専門管理栄養士として栄養指導をはじめ患者さんの栄養管理業務を行う。